別れ、そして再開 第六話(前
投稿日 8月31日(火)03時45分 投稿者 ZiM

私はテンカワさんの病室の前にたっています、

最近ちょっとテンカワさんに会うのがつらいと感じるときがあることもあるからです、

そのとき、後ろから声がしました、

「るりさん?」

「ユキナさん?」




ここは病院の中庭、立ち尽くしていた私をユキナさんはここまで引っ張ってきました

「どうしたのよ、ずっとたってたじゃない」

「みてたんですか?」

「う、まあ、そういうことになるわね」

「・・・・ミナトさんですか?」

「ま、それもあるけどね、心配してたのよ、あの人なりに」

「ありがとうございます。でも心配しないでください、私はどうということはありませんから」

「それはなんかあるっていってるようなものじゃないのぉ?」

ユキナさんは私のまえにたってしたから覗き込んできました

「・・・・・」

「あ、そんな悩むことないの、それに私は貴方のことを一寸励ましにきたつもりだったのに逆効果だったわね・・・ゴメンなさい!」

「いえ、とってもありがたいです、本当にありがとうございます」

「そう?ありがと、・・・・で、何を悩んでるの?」

「・・・・・・」

「ああもう、だめね、私、だからさっき黙っちゃったのにね」

ユキナさんは背中をむけて歩き出しました

私もそれに突いていくように歩き出しました

「でも・・・みんな、私もユキナお姉ちゃんも力になりたいっておもってるから・・・いつでも力になるから・・・」

「ありがとうございます・・・」

私の肩がちょっとかるくなり

一寸だけ涙が出たような気がしました

私はその日はアキトさんの病室にはいきませんでした、





「・・・・アキトさん、気分はどうですか?」

「ああ、もう大丈夫、何ともないよ、」

もう夏も終わりかけです、

すでにかなり日にちが経ちました

アキトさんはあのあとも何回か眠り込むことがあり、まだ退院できずにいます、

ですが、最近は安定してきて、こんどこそは退院といった雰囲気になっています、

「さて・・・ついに退院だ・・・」

「もう3日後ですね」

「うん、今度こそはなにもおこらずに退院したいな」

「そうですね」

「ルリちゃんっていまどこにすんでるの?」

「この近くのマンションです」

「そっか、だからこんなにいつもきてくれてたんだ、ありがとね」

「そのセリフはメグミさんにいってあげてください、あの人は結構とおくからきてるんです」

「うん、本当にみんなよくきてくれて、退屈しなくってありがたいよ」

「結局、退院したらどうするんですか?」

「すぐにでも店でもひらこうかな?とおもってたんだけどさ、お医者さんが駄目だっていうんだ」

「そうですか」

「だからまあ、病院のちかくにでも家をかりようかな・・とおもってるんだ」

「ここの辺り一帯は郊外の住宅街ですから、環境もいいとおもいます」

「うん、そのうちルリちゃんにまたなにか作ってあげるね」

「いえ、そんなこと・・・」

「いいんだよ、もし俺が店をもったらいつでもただで食べ放題にしとくからさ」

「そんな・・・・」

「いや、いつもきてくれてたし、お礼もはいってるんだ」

「当然それにはわたしもはいってるのよねぇ?」

「あ!ミナトさん!それにユキナちゃんも」

いつのまにかミナトさんとユキナさんがたっていました、

「それとも、アキトくんはルリルリにだけそうしたいの〜?」

「はは、そんなんじゃありませんよ、ミナトさんだって、おごりますよ。」

「わたしも〜〜!」

「うん、もちろん!」

みんなではなすアキトさんの退院後の生活はけっこう楽しそうです、

そうなるといいなと思いました。

みんなこうやって笑っていられればとってもいいと思いました。


アキトさんの退院の日、

外は晴天に恵まれました、

私が少し遅れてやってくると、

メグミさんやユキナさん、ホウメイさんもきていました。

「こんにちわみなさん」

「おお、ルリじゃないか、げんきだったかい?」

ホウメイさん、前よりすこし歳を取ったみたいです、

「あ、ルリちゃんきてくれたんだ、」

「アキトさんのめでたい退院ですから、」

アキトさんははじめてみる外からみた病院をみながら、

世話になった医師や看護婦にお礼をいっています、

「これからどうするんですか?」

「うーん、ホウメイさんの食堂でとりあえずパーっとやろうかってことになってるわよ、」

「アキトさん病み上がりですけど」

「ま、そこらへんは気にしないきにしない」

そういってミナトさんはわらっています、

一行はミナトさんの運転する車にのってホウメイさんの食堂に向かいました、



「それでは。テンカワアキトさんの全快と!地球の平和について!!」

「「「かんぱーーい!!」」」


ここは食堂の中、今日一日かしきりで宴会モードだそうです。

アキトさんはさすがにビール一杯のあとはジュースのようでしたが、

周りはだんだんとのってきました

「あきとしゃん、よかったですねぇ、おカラダなおって!」

「うん、あ、アリガト、ユキナちゃん」

「そう言えば・・・アキトさんどこに住むんですか?」

私がごくもっともんわ疑問をだすとみながみました

「うん・・・実はまだきめてないんだよな・・・」

「ええ!?じゃあどうするんですか?今日」

「まあ、とりあえずそこらへんの安ホテルにでもとまろうかな?とおもってるんだけど・・・」

「え?ほんとうですか?」

「あらら・・・」

「じゃあうちにすむ?」

そういったのはメグミさん、

「え?そ、そりゃまづいんじゃない?それにせまくなっちゃうよ・・・」

「いいのよ、うちはもともと一軒家だし、親は・・・この間の戦争で亡くなったから、」

「・・・・」

「ま、ちょっと広いと思ってたから、つかってくれるんだったらありがたいの」

「うん、じゃあきまるまでお邪魔させていただこうかな?」

「あらー、それはなんともアレねえ」

うしろでビールを飲んでいるミナトさんがからかい始めました

「わかい女と男が同居するなんて・・・結婚前の身なのに」

「おねえちゃん!!からかっちゃだめでしょ!、メグミさんだって親切からいってるんだから!!」

「それだけじゃないかもねえ・・・」

メグミさんは誰にも聞こえないような声でポツリといったのが私には聞こえました

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つづきはうえ!(笑)

(編注:つづきはしたです)


別れ、そして再開 第六話(中
投稿日 8月31日(火)03時46分 投稿者 ZiM


結局アキトさんはメグミさんに連れられていきました、

私はすこし酔いのまわった足取りでだれもいない部屋へ向かいました。






うーん・・・

目を開けるとみたことのない部屋だった


・・・・・・


ああ、そうだ、メグミちゃんの家に住まわせてもらってるんだった・・・



もうかれこれここにすみ始めて数日たった、

もうこの家にどこに何があるのかはわかるようになった

蛇口をひねって顔をあらう

かかっているタオルで顔をふいて居間の手紙をみた

「・・・・今日は朝からレコーディングなのか・・・たいへんだな・・・」

俺は冷蔵庫の中のミルクをコップ一杯飲むと着替えて外にでた



メグミちゃんはネルガルに支給されたマンションに住んでいる、

いわゆる戦争保障の一環で、またいまメグミちゃんが所属している所の親会社がネルガルだ。


病室で読んだニュースで戦後どんな事があったのか少しはわかった

経済のことは詳しくないけれど、

ネルガルは軍部との繋がりが太かったので、その後の国からの技術開発委託をたくさん受けていたらしい

そのおかげで戦後の新しいテクノロジーはネルガルから生まれた、

ネルガルの商売のたくみさにより、新しいテクノロジは瞬く間に民間商品化され、

ネルガルは地球圏で最大の大企業になった。

戦前争っていたグループは続々と傘下にはいり、

現在はライバル企業がないらしい。



外は明るい、

秋に入っているが、まだ日差しをまぶしいとおもう、

俺は近くの森林公園に足をむけた



ふう・・・


どっかりとベンチにすわりこむ

ふう・・・・


なんでメグミちゃんの家にいるんだろう・・・

お金だって俺は持ってるはずだ・・・

べつになんにもしなくとも一生あそんで暮らせる

・・・降ってきた幸運なんだろうか・・・

でもなんか違う・・・

そういう事を夢見た事はない

そうか・・・そうだったんだ・・・・

今の状態が好きじゃないんだ・・・

なんか違和感を感じている今の身の回り・・・

・・・俺は・・・俺はどうしたいんだ?




「ただいま〜〜〜!!アキトさん!」


ととととと・・・


「ただいま・・あれ?」

「アキトさんどこいってるんだろう?」



ガタンゴトン・・・


・・・ガタン・・・ゴトン・・・・



俺はいま地球にきてたとき最初に働いていた店にむかっていた。


あの店をみて何か思い出したかったのかもしれない。


だいぶ遅くなった

俺は店が閉まる事をおもってすこし早足で歩いた


「お?アキトじゃねえか?」

俺がその店についたとき、おやっさん・・・その店の店主は暖簾を下ろすところだった。



「いやあ、久々じゃねえか、どうしてた?なんだよ、元気ねえみたいだけどよ?」

「ああ、ひさしぶりっす、おやっさん」

「ま、とりあえずはいれよ、暖簾も下ろしちまったがラーメンくらいなら出すぜ?」

ズルルルル・・・

「いやーいつきてもおやっさんのラーメンはうまいっすね〜」

「あたりまえだろうが、ひとさんに売るもんだぞ?」


店の中はまったく変わっていなかった、

あのとき壊れていたTVが新しく買い換え直されていることをのぞいて


ジュポ・・・

「ふぅ〜〜〜・・・」

親方は煙草に火をつけて俺の向かいの席にすわった

「で?また雇ってもらいにきたのか?」

「・・・そうですね・・・それもいいのかもしれませんね」

「ん?なんだよそれ?」

「いやいや、深い意味はないんです」




「ここは変わってませんね」

「うるせえな、悪かったな」

「いいとおもいますよ・・・俺の周りはさっぱり変わっちまったもんで・・・」

「浦島太郎みたいないいかたしやがるな」

「そうですね、実際そうだったんですから・・・・」



店の外で犬が鳴いている



「なるほどな・・・そういう事があったのか」

「ええ・・・」

俺は大体のことをおやっさんに話した

「ふん・・・」

ジュポ・・・

「で?お金持ちになったアキトさんはこんなちっこい店になんのようだったんだ?おい」

「そういう言い方しないでくださいよ、俺だってこんな風になりたくてなったわけじゃないんすから」

「まあ、おめえには金持ちってのはあってない職業だな」

「はい・・・」

「で?どうするんだ?結局、」

「さあ・・・それを探してるのかもしれません」

「なんだそりゃ?」

「いや・・・なんか違和感があるんです・・・」

「違和感?難しい言葉つかうなおい」

「なんか、ちがうんですよ、何か足りてないんです」

「ふぅー・・・まあ、ゆっくりかんがえな、おめえはまだ若い、まだ時間はあるさ」

「はい」


「お、そういえばこのあいだ一緒にきてたかわいい姉ちゃん、どうした?」

「え?ああ、メグミちゃんのことですか?それともミナトさん?」

「ちげえよ、あの注文とってくれたりした娘だよ、なんだっけ?」

「え・・・・」

「ああ、そうだ、たしかユカリとかユリカとかいう娘だよ」

「・・・・・」

「あの娘どうした?仲良かったけどよ?」


あれ?なんだ?

ここどこ?

あれ?

俺・・・?

ボク?

ワタシ?



「お!おい!!どうした!?」

「う・・・」

「おい!!おまえ!!ちょっとでてこい〜〜〜!!」

「なによアンタ・・・ってあら?どうしたの?」

「わからん!急につっぷしやがった!ちょっと奥に寝かしてやろう!」









あれ?


だれだっけ?


ユリカ?


ユリカってだれ?


おれってだれだっけ?





あれ?
アキト〜!!!


あれ?


私の王子様だよね?


あ、


あ?


ア?


ナンデダロ?シッテルハズナノニオボエテナイ?

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更に上に続く!!

(編注:更に下に続きます)


別れ、そして再開 第六話(後後(笑)
投稿日 8月31日(火)03時48分 投稿者 ZiM



「あ・・・」

目をあけると心配そうに覗き込む顔、

「大丈夫?テンカワさん」

「メグミちゃん・・・・ああ、大丈夫だよ、」

ゆっくりと布団からおき、周りを見渡す、

ちょっとまえまで住み込みさせてもらっていたあの部屋だった

考えてみるとここをでてナデシコにのったのは最近の話、

・・・まあ、眠ってたからってのもあるけれども、


俺がここにいたころとまったく中は変わってなかった、

「ふう・・・」

「あ、ちょっとまっててね、お水でももらってくるから」

「ああ、いいよいいよ・・・」

そういってメグミちゃんはとたとたと部屋から出ていった。


「ふう・・・」



俺はここで運命が始まった気がする、

ここにくるまでは転々としていたけれど、

ここのおやっさんが、俺を構ってくれた、

・・・まあ、最終的にはここも追い出されたようなものだけど、



・・・決めた



「おうテンカワおきたか、急にぶっ倒れやがって、驚いたじゃねえか」

「そうですよーテンカワさん、病み上がりなんですから、こんな遠くまできて・・・」

「はは、すみません、おやっさん、メグミちゃん」

「じゃあ落ち着いたんなら、かえる?」

「いや、ちょっと俺おもったんだけどさ」

俺は布団からでて、畳の上に正座すると

「おやっさん、また俺をここでつかってくれませんか?」

「はぁ?」

「ちょ、ちょっとテンカワさん?」

「俺は前追い出されたし、その後も勝手にきてかってに出ていっちまいましたが、俺はここで働きたいんです」

「・・・・・」

「ちょっとちょっと、本気なの?」

「うん、いえ、はい、本気です、おもってみればここで働かせてもらって、その後から運命が・・・まあ、こういったらあれですが狂い出した気がするんです、だからここにもどって、ふつうのコックとしての道を進んでみたいんです!!」

「・・・・」

おやっさんは黙ったまま俺の話を聞いていた。

「ちょっとぉテンカワさん!ふつうのコックになるのはわかるけど、貴方の財力だったら自分でお店を開けるじゃない、なにも好き好んでこんなおんぼろな・・・」

そこまでいってメグミちゃんは口をふさいだ、

おやっさんはそれをきいてもいないように俺をじっと見ていた

「・・・好きにしな、だけどな、今度は貴様の腕をおれが認めるまでは辞めるんじゃねえぞ」

「はい!ありがとうございます!!」

俺は深々と頭をさげた

「はぁー、本気なのね・・・まったく、テンカワくんって相変わらず頑固なんだから・・・」

メグミは半ばあきれたようにいった。



その日から俺の第二・・・いや、やり直しの日々が始まった・・・

そう、すくなくとも、俺にはそう思えていた、

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ども、すっごい間があいてて、絶対やメタとおもわれてるでしょう、ZiMです、
いやーすすまんのですよ、うん、暇がなくって(笑)
それに6000バイトって意外とせまいっすね(笑)
とりあえずまだまだつづきます、ぶっちゃけたはなし、これ投稿にしたほうがよかったです(笑)
膨らみすぎててやばいっす(笑)
ではでは、また。


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