「・・・・あたし生きてるの?」


 

 

 

 

 

 

どうやらエントリープラグの中らしい、

しかしLCLはすべて抜けてしまっていた、

少しの間放心していたが、

思い立ったように頭上のイクジットレバーを静かにまわした、

ゴクゥン・・・

音と共に


ハッチが開いた、

プラグ内に比較的冷たい空気が流れ込んできた、

外を見てみると解ったがプラグはEVAに繋がっていなかった、

 

プラグだけであった、

 

アスカはまだ放心していたが、

頭をハッチから出してみた、


ここは湖の中央の様だ、


アスカはその湖を形成している液体を触ってみようと手を伸ばした

触った瞬間

「!!!」

気を失った、


・・・・ここは・・・・・


・・・・・どこ?・・・・

・・・・・?だれかいるの・・・・・・・

・・・・だれ?・・・・・

・・・・・・え?・・・あたし・・・・?

・・・・・・・・・・・・しんじ?・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや・・・


どれくらい経ったであろうか、


アスカはまたエントリープラグの中にいた、

 

「ハッ!こ、ここは・・・」

しかし今度は意識がはっきりしていた

「エントリープラグ・・・じゃあ、EVAにのっているの?」

アスカはハッチを開け、

外をみた、

一面に広がるLCLの湖、


その中の比較的浅いところにプラグ横たわっていた、


「これは・・・サードインパクトが起こってしまった?」


アスカは下に広がるLCLを自分でもなぜか解らずに嫌悪してまたプラグの中に戻った

「・・・・・・」

混乱していた、

何がどうなったのか、

自分はどうなったのか、

弐号機はどこへ行ったのか、

NERVはどうなったのか、

戦っていたEVA量産型は・・・

その時、いきなり記憶が戻ってきた、

「ウッ!!」

強烈な嘔吐感が沸いてきた、

「あの時・・わたし・・・・」

いきなり大量の記憶が脳裏をフィードバックする

大量の


映像、


音声、


感触、


感情、


アスカはまた、気絶した、

気絶しないと彼女の精神は耐えられなかった、

 


 

どれくらい時間が経ったのだろうか?

「・・・また気絶してたの・・アタシ・・」


アスカは頭痛のする頭を押さえながら、

頭をあげた、

気絶したおかげでいくぶん気分が収まった、

気をつけながら少しずつ記憶を掘り下げて行く

ほとんどの記憶がよみがえった、

NERVが戦自に攻め込まれたこと、

病室で倒れていたこと、

弐号機にまた乗せられたこと、

・・・戦自と戦ったこと

・・・・ママにまたあえたこと

・・・・・・・量産機に・・・・

・・・・シンジに・・・シンジに?・・

頭痛がした、


考え疲れたアスカは少し眠ることにし、目をとじた、


起きた時、外のLCLはすべて無くなっていて、自分のエントリープラグは超高層ビルの上に乗っかっているんだとわかった、外に出たアスカはそのビルの上から下を見下ろした、見渡す限りの瓦礫、

自分の乗っているビルより高い建物は残っていないようだ、

遠く、山のほうを見やると、大きな地割れが起こっていて、山が割れてしまっている、

元、海だったほうを見やると、水が引いてしまっていて、海が見えない、

地形はほとんど変貌してしまっている、

「・・・・・・・・・・・・」

アスカは何も言わずに景色を見ていた、

高層ビルの上に立っているのに不思議と恐怖心はなかった、

むしろ今の気分は落ち着いていた、

あまりに一度に情報が与えられると、

人は眠っているような、寝ぼけているような事しかできなくなるという、

アスカはエントリープラグに寄りかかり、

飽きることなく、

下を見下ろしていた、

やがて、時は過ぎ、

日が暮れ始めた、



 

 

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