・・

・・・

・・・・

・・・・・

・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・

「そうだったの・・・・」

「まあ、そんなところね、その後お腹が減ったから降りてきたんだけど、大変だったのよ!100階立てなのよ?全く」

明日香は多少大袈裟に騒いでいった、

「・・・本当にそれだけなの?」

「・・・・あとはー・・・」

「あとは?」

「ミサトに会うまでに、何回か襲われたわ、」

「!!」

「ちがうわよ、何にもなかったわよ、うまく逃げたわ」

「そう、あぶなかったわね・・・」

「・・・でも、その時、襲ってきた奴等・・」

「?」

アスカは小刻みに震えていた、羽織っていたマントを前にもまわし、顔だけを出す、本能的に体を守っているようだった、目は堅く閉ざされた

寒い、この常夏の国で・・・・


「・・・??」

アスカは何かが体を覆った感覚を感じた、

「ミサト?・・」

「ごめんね・・私たちの所為で恐い目に会わせて・・・」

「あんたたちの所為ってわけじゃないわ、きにしないで」

「・・・」

アスカはそういってみたものの、声は震え、上ずっていた、

アスカはミサトに抱かれていた、とてもやさしく、いつもとは異なった、まるで母親のようにアスカを抱いた、

「・・ミサト・・」

「・・・」

どれくらい時間が立ったであろうか、アスカの体の震えも収まり、笑顔が戻ってきた、

「ミサト、アリガト、もういいわ、落ち着いたわ」

「そう・・・本当にごめんなさい、わたしが・・」

「すとーーっぷ!!」

そういってアスカはミサトを見下ろして指差した

「もうやめましょ、こんな不毛な会話、起こったものをひきずっても仕方ないわ、」

「でも・・あなたたちに報いることすらできないのよ、わたしは・・・」

ふう、と一息アスカがため息をついてミサトの頭を抱いた、

「いいかげんにもとのミサトに戻って、からかってよ、それが一番の慰謝料ね」

「・・・アスカ・・・」

さっきとまるで逆の構図ではあったが、アスカらしく、軽くいいやった、

「・・・・実際にあった事のはそれだけよ、客観的に見てね、」

「そう、わかったわ」

「・・じゃあわたしも話すわね、」

「いいわよ、無理しなくても」

「いいのよ、明日香が言ってくれたんですもの、わたしも言うわ、」

「そう・・・・」


「わたしはEVAのケイジの直行エレベータのところで目が覚めたわ、」



 

・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・

・・・・・

・・・・

・・・

・・


「ここは・・・」

そうつぶやくと周りを見渡しながら頭痛のする頭をあげた、

周りはがれきに埋もれてはいたものの、NERVの中ということは解った、

「・・・」

だんだんと意識が鮮明になってくる、

「そうか・・・シンジ君をここからおくったん・」

最後までいわぬうちにミサトは一気に思考がはっきりした、

(!一体どうなったの!?)

その場に立ち上がる、

「??」

立ち上がるときにかばった脇腹が痛くない

「これは・・・傷が、」

ふさがっていた、ジャケットは血でぬれていたものの、自分の体には傷一つない、

どういうことなの・・・

はっきりいって何一つわからなかった、しかしミサトは無意識の内にあたりにおちていた戦自のサブマシンガンを拾い上げ、チャンバの中を確認しながら自分が一体どうなったのかを思い出していった、

セカンドインパクトの情報をハックしていたら・

そう、戦略自衛隊が攻めてきて・・・

シンジ君を保護しにいって・・

そう・・・ここの直通エレベータから、シンジ君を送り込んだ・・・

あの時・・・私・・・

記憶がほとんど戻ってきた、

あの時、私は射殺されたと思ったのに・・・

ミサトは記憶を戻しながら、半壊したNERV内を移動していった、

ミサトは変だと思った、

戦自がいない・・・

装備品や銃器はたまたプロテクタからヘルメットまでが転がっていたが、肝心の戦自の戦闘員が一人も見当たらない、死体すら、なかった、

おかしいわ・・・一体何が起こったというの?

ミサトはある一つの可能性を知っていた、

サードインパクト

きっと関係があると考えられた、

しかし、それは同時に防ぐことができなかった、という自責の念も生んだ、

だが、今のミサトにはそれを考えるよりも早く発令所にいこうという思考があった、



 

途中の道のりは半端でなく大変なものだった、

通路は破棄され、ベークライトで固められてしまっていることが多かった、

乗ってきた愛車アルピーヌ・ルノーも原形をとどめてはいなく、

途中の電動のドアも動くものは数少なかった、

そしてまだ一人も人間を見ていない、

だがミサトは気を抜かなかった、

何か嫌な予感がする、

それは勘ではあったが、こういう状況では重要だった、

1時間ほど移動したのだろうか、

通路の曲がり角に人影が見えた、

しかし、ミサトは迂闊に声をかけようとはせず、

後ろからゆっくりと近づいた・・・


みたところ、ネルフ職員らしい、制服が物語っていた、

しかし、着ているもので判断するのは甘い、

油断は禁物と考えたミサトは後ろから近づいて言った

「手をあげなさい」、

「!!!」

その人影はびくりとして、動きを止めた、

そしてゆっくりと手を挙げ始めた、

「そのままこっちに・・・・?」

「う、うぁ・・・うぁあぁぁぁあぁぁぁ!!!!」

こちらを向くとそいつは襲い掛かってきた、

「くっ!!!」

すんでのところでよけると足払いをかけ、壁に叩き付けた、

「あなたに危害を加えるつもりは今のところ無いわ、・・だから安心し・・・」

バン!!!!

ドサリ・・・・・

「・・・・・・・・・」

そいつは自決した、どうやら銃を拾って持っていたらしい、

死体は真っ赤な血を流しながら通路の壁に寄りかかった、

ミサトは顔を背ける事もなく、その死体を見下ろしていた、

ミサトはそれをみた、

みたところ男である、

パスカードからみても正真正銘のネルフ職員である事が解った、

小野洋平 23歳 第三指揮課所属

ミサトもこの人物を知っていた、

二三度会議で話した事もある、

その時みた彼は、とても厳格な男だった、

その人がなぜ・・・・


ミサトは男を横にすると、近くにおちていた制服で上半身を覆った・・



 

ぴぽぴぽぽぽぴぴ・・・・

壁の暗証番号を入力していく、

プシュ〜

壁が圧搾空気の音とともに開き、発令所が開いた、


・・・・・・・・

中には人の影はなく、

あたり一面に血痕と、弾痕が残されていた、無論死体とともに・・・

死体を見ていく、

が、主要なオペレータはおらず、死体は一般オペレータの物ばかりであった、

それに冬月の姿も無い、脱出したのであろうか、

「・・・・・・・・」

ミサトはコンソールにのっかり、下を見下ろした、MAGIがある、

コンソールをたたき、補助システムを立ちあげる、

IDとパスを入れてみる・・・が、

MAGIは完全に破壊されていた、

かろうじて周辺の補助システムのみ、動いている状態だった、

しかし、ほぼ記憶装置や、ネットワークが破壊されていて、

ログは残っていなかった、

「記録が無い・・か・・・これじゃあ、誰かに聞くしかないわね・・・」

かろうじて補助システムを動かしていく、

MAGIは完全に大破、関連システムもストップ、

生命維持システムは緊急動作、独立して動作中、

各エレベータリフトおよびシャッターの動力はほぼ断線、

メインデータベースはMAGIとともに停止、

外部とのネットワークは完全に断線、

内部ネットワークはバックボーンごと断線、研究室単位のネットワークは存在しているかもしれないが、つながらない。

内部端末の99.87%が沈黙、おそらく破壊されたか孤立している、

システム用の電源は例の工作事件以来取り付けられた緊急発電システムと、瞬断対策バッテリーによって動いている、

が、止まるのも時間の問題だろう。

警備システムは一部のログ、数少ない監視カメラなどだけのこっている、

「・・・・・・?」

ミサトはかろうじて生きているセキュリティシステムを見ていると、あるログを発見した、

(注意:レベルS3:セントラルドグマ最下層:物理マンインターフェス:解除)

セントラルドグマでシャッターの動作が記録されている、

なおかつ内蔵時計と比較すると時刻は数時間前である。

自分以外の誰かがいるのか、しかしセントラルドグマにいる人物とは・・・

「・・・リツコか司令ね・・」

無意識に画面を指でなぞる、確信があった。

「さて、いろいろ聞きたい事もあるし、行くわよ」

 


 

メインシャフト

 

本来は大型物の搬入や、換気などに使用され、エレベーターで移動するはずだった、

今ミサトはロープを伝って降りていく、

横穴には職員の死体が散乱していた

休憩で横穴に入っても、気が休まらなかった、

途中大型の横穴で頓挫している工作車両があった、

「よっと、」

ミサトはそれに着いていたウインチをまわした、

ウインチはゆっくりとワイヤを伸ばし始め、ミサトは着いているフックに足を乗せて

深い闇へと降りて行った


あと少しで最下層というところまで来くると、

ミサトは一番下の横穴に入り、一般通路へと出た、

ここはセントラルドグマに一番近い所、

ここまでは戦略自衛隊は来なかったはずである、

ミサトは注意しながら、通路を歩いて行った、


そしてヘブンズドアの前まで来た、

「開いている・・・やはりこの中か・・・」


もう身を隠すところも無かった、

真ん中を歩きながら中へと入って行く・・・


広大なLCLの海、中央にある十字架にはもはや何も貼り付けられていなかった、

「・・・・・・・本当にどうなったというの・・・・」

ミサトは解らずに周辺を見やった、


奥のほうの作業員用部屋の明かりがついている、

ミサトはそこに近づいて行く、

「いるんでしょ、出てきて、」


・・・・・・・・・・・・


ガタ、

中で音がして人が現れた、

「やっぱリツコだったのね・・・」

「・・・・・・・・」

 


 

 

:是非ご覧頂いた方はZiMさんに感想を!

:戻る