二人はLCL湖の淵に座りながらお互い黙ってしまっている、
ミサトはリツコをみたとき嬉しかった、生きていたから、
しかし、さっきから彼女は何もしゃべりはしない、
もしかしてさっきの職員のようになってしまっているのではないかなどとミサトが思っていると、
「よく生きていたわね、相変わらずしぶとい女ね」
懐かしい声で、皮肉を言われた、
「良く言うわよ、アンタより若いのよ?アンタよりさきにあの世へはいけないわ、」
そういってミサトは返した、
二人とも顔も見てはいなかったが、お互いを感じる事ができた、
これも、長年付き合った親友だからであろう、
「・・・で、なにが聞きたいの?」
「何がおこったか」
「・・・解っているんじゃないの?」
「やっぱりサードインパクトね、」
「・・・・・・・」
あの十字架に何も無かったときに予測は確信になった、
が、やはりこうしてこれの中心にいた人物に言われると、現実感が増した、
「・・・・・・・・」
「これが結果なわけ?」
「・・・・・」
「あなたこんな事に力を貸したの?、人が死んだだけじゃない!!」
「・・・・・・・・」
「ねえ、なんとか言いなさいよ!!」
「・・・・・・・・・」
「司令が目指したののはこんな事なの?・・・」
「いいえ、違うわ」
「違うって何が?」
「彼は単に・・会いたかったの、」
「・・・・もしかして」
「そう、ユイさんに・・・」
ミサトは言った、
「でも、失敗におわったようね、」
「ええ、失敗したわ、人の心は一つには結果としてなりつづける事ができなかった、」
「・・・・・・・・・」
「シンジ君よ・・・彼が元の世界の方向に進めたようね、」
「そうなの・・・シンジ君・・・シンジ君はどうなったの?」
「さあ?解らないわ、」
「いったいリツコはどうして?司令を手助けしたの?アンタは・・・・」
リツコは少し顔をゆがめると、自己を嘲笑しながら言った、
「結局夢見る乙女だったのよ、好きな人と一緒になろうと必死だったのね・・・」
「・・・・・・・・・」
リツコはうえを見上げ、両手で自身を抱いた、
「だけど・・だけどあの人は私を受け入れてくれなかった・・・・しかも母さんにも見放されたわ・・・・」
ミサトはMAGIが破壊された事をリツコは知っているのだろうかと思った、
「誰もが私を拒絶したわ、私を受け入れてくれるものはなかった・・・・」
「・・・・・あんた、変な気おこさないでよ?」
「・・・・・・・・・・」
「あんたがいなくなっちゃ私が困るのよ?」
「え・・・?」
「私のほうが年上になっちゃうわ」
そう言ってミサトは苦笑した、
リツコは一瞬ミサトをみて、うつむくと肩を震わし始めた、
「ふふふ、なるほどね、」
二人は少し笑った、
「いいの?リツコ、ここにとどまるの?」
「ええ、ここにいるわ、外に出ても仕方が無いもの」
「でも、ここだと・・・」
「大丈夫、そのうち上にあがるわ・・・でもここの後始末をしたいの」
「・・・・・解ったわ、じゃあ、元気でね、」
「ええ、また会いましょう」
ミサトはリツコに一瞥をくれると歩き出した、
「あ。そうそう、言い忘れるとこだったわ、」
「なに?」
「加地君、」
「・・・・・・・・」
ミサトは少しくらい表情になった、吹っ切ったと言ってはいるが、本人の心にはまだ大きく存在しているその人の名前、
「生きてたわよ、」
「・・・え?」
「加地君はサードインパクトの直前までは生きていたわ、おそらくね」
「本当!?ね、ねえ!」
一気にミサトの表情が明るくなる、
「ええ、」
「加地君・・・」
「じゃ、私はそろそろ行くわね、ミサト、気をつけて、」
「ええ・・・リツコも・・・」
そういって二人は別れた、
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