とことことこ・・・

寒い・・寒すぎる・・

春はどこに行ったんだか・・・

あ、そう言えば今日宿題がのこってるな・・・

・・・・また明日香に泣き付くのかな?(泣)

 

「おにいちゃん?」

「ん〜?」

「レンタルビデオ屋さんいかない?」

「え?ああ、そうだな〜ひさびさだなあ」

ウイーーン

自動ドアをとおりぬけるとすずしいなぁ・・・・

 

 


おにいちゃんといっしょふぃふす

 

 


ここは駅前のレンタルビデオ屋、昔はよくきたなあ、

一人住まいの時はよくみたもんだ、

・・・・ちょっとさびしいことを思い出したな・・・

「ねえねえお兄ちゃんこれこれ」

「ん?あ、これかあ、もうレンタルになってたんだ」

へぇ〜〜もうこれってビデオ化されてたのね、

ちょっとまえ話題になったやつだ、

なんでも今年一番恐いホラーサスペンス物だそうだ、

「見ようか、話題作だったもんな」

「え?・・・見るの?」

「え?なんで?」

「う・・いや・でも・・・」

・・実は俺は知ってるんだよなぁ・・・

明日香がホラー、サスペンスだいっきらいってこと・・・

「わあってるよぉ、明日香ちゃんはこわいんでしょ?」

「・・・そんなことないもん」

「 冗談だよ、明日香が恐がることなんかしないって、」

「こわくないもん!ほら!これ借りてきて!」

「お、おいおい、いいのか?」

「いいの!!」

・・・しゃあないなあ・・・でも結構俺もみたいし・・・

だけどなあ・・・あれ?

「明日香、これ貸し出し中じゃないか、」

「え?あ、ほんと・・・」

これじゃあかりられないな、丸く収まるか、

「じゃあまあ、あきらめるしかないな、なんか他のものを借りよう、」

「・・・・・だめ」

「え?」

「だめ!!だぁめ!!」

「お、おいおい、おいおいおい、そんなこといってもなあ・・・」

「誰かもってそうな人知らない?」

「むう・・・・・・あ、相田ならもってるだろ、」

「相田さん?そうねえ・・たしかに」

携帯で・・・・

(ぷるるるるるる・・ぴ!

(もしもし?シンジか?)

「ああ、ぶしつけでスマンが・・・

・・・・・・・・

ぴ!

「・・・あるってさ、」

「そう!じゃあ借りにいきましょ!!」

・・・なんか顔色ワルイな・・強がるのも・・・・

強がるのもいいんだけどなあ、変なとこで明日香は・・・・

まあしかたがないか、ふう、

 


 

「なんだよ真司、いきなりおしかけてきて、」

「すまんなぁ、・・・・しかしいつもながらスゲエ部屋だな」

明日香をつれてこなくってよかった

部屋の中にはものすごい量のケーブルが流れていて、

二桁ほどのPCとWSがある、うーむ壮観だ、

モニターは液晶が5〜6台なつかしのCRTが2台、

壁掛けのプラズマディスプレイが二枚、

ディスクプレイヤが数え切れんほどつまれている、

・・・少しうらやましいなあ、ちょっと分けてほしいな、


「ほら、多分これだ、」

「おお、サンキュ〜!」

そういって俺はディスクをバッグにつっこんだ、

「あ、後これな」

「なにこれ?」

無地のディスク、何にも書かれていない、

「じつはそれは次回作の映像なんだ、貴重だぜ?」

「へえ!!?」

相変わらずなんでこんなもの持ってるんだ?

たしか今度劇場公開だったはずだけどなあ・・・

まあ、ありがたくいただいていこう、

「じゃあな、また学校でな、」

「なんだよおい、それだけ・・・」

バタン

俺はケンスケの返事は全部聞き終わる前にドアを閉めた、

ケンスケには悪いがあいつの部屋にずっといると自慢話しかおこらないんだ・・・・

明日香も待たせてるしな、

今度明日香の弁当を局地的にわけてあげるとしよう、

 



「ただいま〜〜」

「おかえりなさ〜〜い!!おにいちゃん!!」

そういって明日香はエプロン姿で台所から走ってきて俺に抱き着いた、

「おう、ただいま、」

そういって俺はアスカを軽く抱きしめると、居間へ歩いていった

 

---

 

「ほら、これがさっきのビデオだ、」

明日香の表情がちょっと硬い、エプロンのすそをにぎっちゃってる、

・・・・・ホントになんかかわいそうになってきた、

「な、なあ、明日香?べつに見なくてもいいぞおまえは、」

・・・まるで俺がいじめてるみたいな構図だぞ・・・・

「うん・・・・・」

「な?」

「ううん!!だめ!みるの!!」

・・・・・・・はぁ・・

なんでこんなに明日香はかたくななんだ・・・

・・・・意地っ張りだな・・・まあ、かわいいけど・・・

「じゃみるぞ?」

「・・・・・」

ディスプレイとプレイヤをつけて、ディスクを食わせた、

一瞬のホワイトノイズの後に画面に映像がながれ始めた、

どうやら編集してあるらしい、予告などはすべてすっ飛ばしてある、

真っ暗な画面にアクターの名前がながれる、


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・

・・・こ、こえぇ〜〜

まだ何にも恐いことないはずなんだけど、

さっきから古臭い洋館の映像が流れている、

画面を凝視できないよ・・・

明日香は・・・・

・・・・・・・・

両手で耳をおおって、目をつぶっちゃってるぞ、おい

 

っていうかそれ見たことになるのか?

 

まあ、仕方がないか、

とおもって画面に目をもどしたと同時にブラウン管に血だらけの男がへばりついた

「ッ!?」

どわぁ!?

がば!!

とっさに明日香にしがみついた、

「きゃぁ〜〜〜!!!〜!!!!!!」

それに衝撃を感じたのか明日香は思いっきり悲鳴を上げて俺に抱き着いた、

・・・・かっこわるーー、俺が明日香に驚いて抱き着いちゃったよ・・・・

って明日香は・・・・・・

めちゃくちゃ震えて俺のシャツを引っ張ってる、

・・・かわいそうだな、とめよう、


「・・・明日香?」

「・・・・!!!!」

こりゃ聞こえてないな・・・・

俺はあきらめて明日香を力強くだきしめて軽くなで続けてやる、

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・


どれくらい時間がたったんだろうか・・・

明日香は先ほど静かになった、

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・ねてるんじゃないの?

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・ねてらぁ、

 

 

 

 

 

 

どうやら緊張しすぎたみたいだな、

うーーむ、どうしよう、

時計を見るとすでに寝るべき時間帯になっていた、

・・・・・むーー

しかたない、

よっと・・・ん?

明日香が俺の背中に回した手がはずれない、

・・・・・・・・・・

しかたないので俺はアスカをだきかかえ、寝室へあるいた。


どさ・・・

俺は明日香をだいたまま横になった、

少々明日香は腕がきついかもしれないが、我慢してもらおう、

おやすみ・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・

ねられん・・・・・

恐い夢を見そうだ・・・・

うーーむ・・・・・・よわった・・・・

かっこわるいな、恐いものをみたあとにねむれないなんて・・・

中途半端に見たから余計恐い、

しかたないから明日香の寝顔でもみてるか・・・・

明日香の表情は落ち着いていた、

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・いかん・・・・ちょっと・・・・

・・・変な気がおきそうだ・・・・


いくらなんでもいつも寝ているときはこんなに密着していないから・・・、

手をつないだりしているけど、俺が微妙に寝相がわるいから、明日香からはなれたりするんだが・・・・

さすがに今回は両方がしっかりとだきあってるわけで・・・

しかもさっき恐いものみたから・・・・なんとなく・・・

・・・・・・・・

静かに俺はアスカの唇を奪った

一瞬息のできない明日香は息苦しそうな顔をみせたが、すぐにおちついてきた、

・・・・・・・・・・

右手でゆっくりと明日香の背中をなぞる、

・・・・・・・・・・・・

ちょうど明日香の首筋まで手をうごかし、抱える、

・・・・・・・・・・

左手を同じようにして、背中をうごかし、腰の所までもっていく、

・・・・・・・・・

ゆっくりと左手を腰よりも下へうごかす、

なだらかな膨らみを感じる、

・・・・・・・・

その瞬間明日香が俺をさらにつよく抱いた、

「!!」

おきた?

そういうわけじゃないのか・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・俺なにやってるんだ・・・・

・・・・・寝込みを襲う・・・・か・・・・

やめとこ、

こういうことは正式に・・・

正式、正式ねえ・・・

「くっくっく・・・」

俺はなんとなくおかしくなって笑い出した、

明日香を起こさないよう、小声でわらった、

あ〜あ、馬鹿だな、俺って、


ねよねよ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「ねえ、ほんと昨日恐いゆめだったよ!」

「ほお、どんなんだったんだ?」

「夢でね!!「くっくっく」ってゾンビが笑うの!!!」

「・・・・・・・ぷっ・・あっはっはっはっは!!」


 


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