別れ、そして再開 第二話
投稿日 6月2日(水)00時19分 投稿者 ZiM

「おはよう、ルリちゃん、」

「おはようございます、主任」

「じゃあ、今日も始めるから、ルリちゃんはシステムを順にたちあげてね、」

「はい」


>おはようございます

>おはよう、オモイカネ

>では通常モードに切り替えます

>よろしく


部屋の奥にオモイカネがむき出しで鎮座しています

私からもコンソール越しに彼がみえます、

周りにはネルガルの研究者が群がるように各セグメントをチェックしたり、

新しいデバイスをつないだりしています、

そして横にオモイカネのシェイプダウン版、

開発者の通称でコガネがあります、

>オモイカネ、子供ができるってどんな心境?

>私には心境があるか解りませんが、

>が?

>とても楽しみです、まだ、接続されていませんが、私とリンクされたらぜひ話してみたいです

>そう、お父さんだね

私の仕事はオモイカネのデータを整理してコガネに渡す役目です、

つまりコガネのお母さんになったようなものでしょうか?

コガネは私の子供でもあるのです、




>ところでオモイカネ、

>一寸まってください、

>え?








>今あなたに通信が入るはずです、


オモイカネがそういったとき、私のコミュニケがうごきました、



「こちらネルガル総合治療センターです、ホシノさんですね?


「はい、なんですか?」










ウィーン

自動ドアが開くのと同時に私は走り出しました、

「2番ゲートにタクシーをおねがい」

そう受付に言うと私はまだタクシーのきていない2番ゲートに急ぎました、

走ったのなんて何ヶ月ぶりだろう・・・




・・・・ではお知り合いですね?」


「はい、戦時同じ艦のクルーでした・・・・・






バシュ!

音をたててタクシーのドアが開き私は中に乗り込みました、

「総合治療センターまで」








私がその部屋に入った時、

たくさんの医者に混じって彼は起きていました

「テンカ…アキトさん」


まるで寝坊をしたようなしぐさで彼はこちらをみて微笑みました、

「おはよう、ルリちゃん」










医者はテンカワさんを隅々まで調べると、とりあえず引き上げました、

残ったのは私とテンカワさんだけ、


「久しぶりですね」

「久しぶりなんだってね…俺は昨日もあったんだけどねぇ…」


彼は頭をかきながら、ぼおっとした顔で周りをみまわした、


「ところで…ここはどこ?、今はいつ?」

「…落ち着いてきいてくださいね」

「・・・・・・・・・」



テンカワさんに簡単に今のことを話しました、

最初は私をみていたテンカワさんも、

最後のほうになると目を伏せてしまいました、


「…そんなに…長い間眠っていたのか…」

「…はい、でも気を落とすこともないと思いますよ」

「…そうだね、こうやってまたルリちゃんの顔を見れただけでも運がいいのかもしれない、」

外は初夏、

気がつくと日が傾き始めて、白い部屋はだんだんと赤くなりはじめていました、










「じゃあ、また、明日にでもきます」

「ありがとう、ルリちゃん」

「それじゃあ…」

「ゴメン、もう少し、もう少しここにいてくれないか?」

「え?」

「また眠りつづけるって事はないんだろうけど…眠るのが恐い、いや心配なんだ、」

「・・・・・・」

「いや、ゴメン、いいよ、ごめんね、変な事いっちゃって、」

「・・・そうですか、わかりました、」


そう言って私はまた、椅子に座りました、

テンカワさんは意外な顔をして、でも、少しほっとした表情で、

また、目を閉じました、





「スミマセン、面会時間がおわります。」

「はい」


もうすでにテンカワさんは眠っていました、

外は夕方、



外に出ると、いつのまにか暗くなり始めていました、














次の日、私はまたテンカワさんの病室にきました、

ドアを開けると、

メグミさんがいました、



「こんにちわ、久しぶりね、ルリちゃん」

「お久しぶりです、メグミさん」


「あ、ゴメンね、椅子一つしかないから、座って」

「いえ、構いません」

そう言うと立ち上がるメグミさんはまた腰をおろして、テンカワさんのほうに向きました、

「さっきまで起きてたんだけどね、また眠っちゃった」

「そうですか」



・・・・・・



「へえ、じゃあ今はまだネルガルの研究所にいるの?」

「ええ、オモイカネといっしょに」

「そう・・・、結構経ったわね、あれ以来・・・」

「ええ、メグミさんも仕事をなさってるみたいですね」

「うん、今やってるアニメの主人公をまかせてもらえたの」

「おととい、見かけました」

「やっとまた仕事が入り始めたの、これで保証金の目減りを気にする必要がないわ」

「良かったですね」

保証金は私はもらえませんでした、

ネルガルから派遣されたようなものでしたから・・・

研究所に入れてなかったら、やはり実験体としてしか道がなかったと思います、


「・・・アキトさんも結構もらってたわよね、でも、無制限って事はないだろうから、気がついて良かったわね」

「・・・・・・」


「・・・あれ?ルリちゃん?メグミさん?・・・ああ、また眠っていたのか・・・」

「おはよ、アキトさん、」

「こんにちわ、アキトさん」

「ああ・・・、また来てくれたんだ、ありがとう」




−−−−−−−
続く
おっきすぎるっておこられました(笑)だから切れ目がちょいへんです(笑)
ふう、まだストックがあるので数話分くらいは出そうだ・・・
それでは!!


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