別れ、そして再開 第三話
投稿日 6月11日(金)07時10分 投稿者 ZiM

「結局、アキトさん、これからどうするの?」

「・・・そうだなぁ・・・どうしようか・・・」


「ところで・・・気になってたんだけど、ここに長いこと入院してるみたいだけど・・・お金大丈夫なのかな?俺、」

「心配ありません、アキトさんには結構な額の保障金が支払われました、」

「そうよ〜、アキトさん、今じゃ大金持なのよ!」

「え?そうなの?へぇ〜・・・、じゃあ、そのお金で屋台でも引こうかなぁ?」

そういってアキトさんはすこし期待をこめて笑いました

でも、テンカワさんはいま聞いたことをいまいち理解できていないようでした、

「屋台といわず、アキトさんなら、ビルでたてることができます」

「え!?」

「ちょちょっと!アキトさんってそんなにもらったの?」

「ええ、私が処理した中に入っていたと思います」

私は胸ポケットから端末を取り出して開きました、


「・・・そうですね、大体都心でも結構な大きさのビルがたてられます、これがその金額です」

「「・・・・・・(唖然)」」

一個人には到底みることのない大きさの金額、

超一流の設備で医療を受けても、まるで目減りしていませんでした、

「はぁ・・・」

「ふぅ・・・」

二人は呆然として宙をみていました、

私は端末をしまいながらつづけました、

「はっきり言って、一生遊んで暮らせます」

しかも贅沢に、


「はぁ〜、そうなんだ・・・、俺って寝てる間に大金持になってたのか・・・」


結局そのあと、会話らしい会話は出ませんでした、

二人ともぼぉっとした表情で、

また面会時間がきたので、私とメグミさんは外に出ました、


「タクシーお願いね」

そうコミュニケにいうとメグミさんは他人事ながらすこし興奮していました。

「すっごいわねえ〜!アキトさん!」

「そうですね」

「あの若さでねぇ〜〜・・・」

「・・・でも、メグミさん」

「え?」

「わすれたんですか?あの金額の理由を、」

「理由・・・」

あの金額には訳がありました、

あの保障金は一人分ではなかったのです、

あんな金額を一介のパイロットが受け取るなんて、生命に関わっても無理です、


「・・・そうか、そうだったのよね、すっかり忘れてた・・」

「・・・あれ、うまく行ったんでしょうか?」

「・・・今のところ、気づいてないみたいだけど・・・いつかは・・・思い出すとおもうの、」

「・・私もそう思います・・・・」

「・・・思い出したとき、だれもいないと・・・私はこれからもアキトさんの病室に通おうと思うわ、」

「・・・・・・」

「ルリちゃんも、もし暇だったら、ちょくちょく来ていたほうがいいかもしれない・・・、これは勝手ね、わすれて、」

「いえ、私も暇ですし、研究所の帰りにでも通おうと思います」

「そう、ありがとう」

なんでメグミさんがお礼を言うのか、

よくわかりませんでした、

「あ、タクシーきたみたい、」



二人でタクシーに乗ると音もなく発車しました、

ルームミラーにはさっきいた病院が映っていました、






「やあ、また来てくれたんだ、」

テンカワさんは起きた時よりもずっと顔色が良くなったみたいでした

「2年間のニュースをみたんだ、ずいぶん平和になったんだね」

テンカワさんはここ数日、過去のニュースをみているようでした、

「退院はいつごろになるんですか?」

「もう少しだってさ、やっと外に出れるよ・・・」

そう行ってテンカワさんは窓まで歩いていきました、

「そうだ、ほかの人たちはどうしてるんだろう?」

「・・・・・・・」

一瞬私は動きが止まりました、

「みんな元気ですよ」

嘘だった、みんなではなかった、

「リョーコちゃんや、ウリバタケさんはなにやってるんだろうな・・・」

「ウリバタケさんはネルガルに出入りしています、最近会いました、元気そうです」

「へぇ〜」


まだ・・・思い出してない・・・

だってその人の名が出ていないから・・・







「あら?ルリルリ?あ、アキトくん!」


「え?あミナトさん!」

「ひっさしぶり〜、元気そうじゃない〜、ルリルリも」

「お久しぶりです」


突然ミナトさんは病室に現れました、

全然変わりないようでしたが、前よりも髪が長くなったみたいでした

「ゴメンネェ、なかなか暇がなかったのよ、すぐお見舞いにこようと思ったんだけど」

「ありがとう、ミナトさん、」

そういうとミナトさんはもってきた紙袋からケーキを出しました

「いそいでたから、こんな物しかなくって」

「あ、ケーキだ、久しぶりだな、ケーキなんて」

「ふふふ、これは特別制よ!」

「?」

「ホウメイさんの作ったケーキよ、今あの人食堂やってるからこれないのよ」

「そうなんですか、すっごく嬉しいです」

「ちょうど良いわ、4つもあるから、あまるところだったの、ルリルリも食べるでしょ?」

「はい、いただきます」


私も久しぶりなケーキ、とってもおいしかったです


「はぁー相変わらずですね、ホウメイさん、これすっごく旨いですよ」

「ほんとねぇ・・・」


「そう言えばアキトくん退院いつ?」

「ああ、あとちょっとです、一週間くらいだそうです」

「へえ〜、じゃあ退院前祝いってカンジねぇ」

そう行ってミナトさんは笑っていました、





「じゃあ、私これで帰るわね、」

「じゃ、また」

「さようなら」




ミナトさんが出ていった病室は少し静かでした


続く
なんか冗長ですね(笑)、もっとテンポよくいかないとだめ?(笑)


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