別れ、そして再開 第五話
投稿日 6月25日(金)23時16分 投稿者 ZiM

私は家に帰りました、

ドアを開けるとそのままベッドにたおれこみました、

そして起き上がり、端末を操作し始めました


ネルガルネットワークに最大長暗号でログイン

特権IDでオモイカネにアクセス

オモイカネにログイン、

検査コンピュータにリモートでログイン

以後の操作をプロテクト

ログ用データベースにログイン、

ファイル改ざん、私のログインの痕跡および以後数時間のオモイカネの操作

>オモイカネ

>はい、なんですか?

>一寸目をつむっていてね・・・

>はい

検査用コンピュータにログイン

外部回線用インターフェスの乗っ取り

ネルガル重工特殊業務スーパーコンピュータ部門LANにアクセス

ファイアウォールに接触、ハッキング

ネルガル重工メインネットワークに侵入

各ファイアウォール、ルータにハッキング、ログファイルに仕掛け

ネルガル秘書室に侵入

秘書室より、ネルガル中枢ネットワークに接続、

現在使用中の暗号鍵を変更、以後30秒ごとに鍵を変更

ログインルートを以後のアクセスごとにランダムに

ネルガル中央データベースに侵入

軍事および政府関連データベースに集中

ファイル検索開始

合致ファイル347件

ダミーファイルにそのデータをコピー

ダミーファイルをダウンロード

完了

ダミーファイル内容補填

データベースのログを改ざん

各ファイアウォール、システム、ルータのログを改ざん

ログアウト



・・・・・

またやってしまった

でも、今度は後悔したくない、

私は全ての後始末を終えるとデータを転送して

ポータブル端末にマイクロマシン感応型暗号鍵を最大長にかけると

疲れてそのまま眠り込んでしまいました。





翌朝、わたしは有給休暇をとって、ミスマルユリカ・・・、ユリカさんの。

形だけの、

墓参りにいきました。




「まだここの辺りは自然がある・・・」

電車で揺られながら久しぶりに長旅になりました、

ここはミスマル家の発祥の地らしいです、

火星生まれのユリカさんはここにお墓・・・があります、




石段を登っていくと真昼の暑さのせいでうっすらと陽炎が立ち昇っていました。

ふと、そこにユリカさんの姿が見えた気がしました、

わたしははっと立ち止まり、

暑さの所為だろうと思いながらまた歩き出しました、



ユリカさんのお墓の前には、

プロスペクターさんがいました

「おひさし・・・ぶりです」

「おひさしぶりですなあ、ルリさん」

わたしですら、この人のことはよく分かりません、

ネルガルでも相当な力を持っているはずなのに、

その雰囲気をかんじさせないところとか・・・

わたしは墓石に水をかけながら


「・・・・もしかして・・・わたしがくることを知っていたんですか」

「さあ?どうでしょう」



「・・・・・貴方は知っているんですか?」

「・・・何をですかな?」



「おそらくわたしが知っていることは貴方が知り得たことと大差ないでしょう」

「やっぱり、事実なんですね?」


そういうとプロスペクターさんはメガネをはずしました

「はっきりいいます、貴方はマークされています」

「・・・・」

「ここでは盗聴の危険がありませんからいいますが、あの事、貴方がした事はネルガルの上の方では分かっている事なのです」

「・・・・それで、プロスペクターさんはわたしを捕まえに?それとも単に忠告しにきたんですか?」

「さあ・・・実はわたしもルリさんと同じ心境なのかも知れませんね」

「・・・・・」

じりじりと焼き付ける太陽のしたでプロスペクターさんの顔もうっすらと汗がにじんでいました

「さて、わたしも今では結構多忙なので・・・そろそろ立ち去らせていただきますよ」

「はい」

プロスペクターさんはもっていた桶とひしゃくを手にもつとわたしに背をむけて歩き出しました

と、その時立ち止まり

「おっと、いい忘れていました・・・、いや、これは伝えるつもりはありません、わたしの独り言です」

プロスペクターさんは振り向きませんでした

「あの人・・・まだ木星で生きているそうです」

「!!」

わたしはもっていたひしゃくを落としました、

「それでは・・・」

わたしは姿が陽炎で隠れるまでそこに立ち尽くしていました






かえりのリニアの中・・・

わたしはずっと思っていました

あの人・・・ユリカさんはまだ生きている・・・

わたしはその可能性を持っていました、実験体としても使えるユリカさんを殺すはずはない、とさえ思っていました

しかし、戦後ジャンパーと呼ばれる火星遺跡を利用できる人たちは意外と発見され、

今ではある程度までなら素質のない人でもナノマシンにより、ジャンパーになれるようになっています、

だから、ユリカさんを使う必要はない、

裏の交渉で使われたユリカさんはすでに処刑されたかとも思っていました、

何しろ木蓮の艦隊を一番多くしずめ、木蓮の人命を奪ったのはわたしたち、ナデシコ艦だったからです、

敵討ち、

人のもっとも強い心・・・

でも、生きていると・・・

プロスペクターさんの言葉を直接信用しているわけでもありませんでしたが、

わたしはその希望をまた持つ事ができました、

−−−−−−
続く
あ、ペースがおちてきた、ヤバ(笑)
がんばらんとかきおわらんぞ、これ、予想以上に長くなりそうです・・・。
自分の中で大作化(笑)


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